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雪女

Photo 色鉛筆画、

暑いですね、こんな時は涼しくなりそうなお話でも?

雪女(昔話)

僕は、ワンダーフォーゲル部の活動で、年末は北アルプスに入山していました。

明日の登頂にそなえ、早めにシュラフにもぐり込む。

早朝からのラッセルで疲れ、あっというまに夢の中です。

外は音も無くシンシンと降り積もり、イビキだけがガーゴーとにぎやかです。

ところが想定外の、夜中の2時ごろ突然サーと表層雪崩が起きてしまい、

テントはあっという間に飲み込まれました。

各自シュラフに包まれ、その上からテントが重なり雪の重みで海苔巻きみたいに

ピッタリ身動きできません、やがて空気も薄くなり意識が遠くなっていきます。

遠くから、あきらめちゃダメ、あきらめちゃダメ、とヒューヒューとテントの中に冷気を

吹きかけ続ける、髪の長い色白の美しいひと(女)がいるような記憶があります。

あなたは私の大切なひと(男)、死んではダメ、生きなさいと朝まで励まし続けた。

この事は、誰にも話してはいけませんよ、さー目を覚ましなさい!

やがて、朝陽が差し込み捜索隊が探し出してくれて、奇跡的に生還できました。

なにごともなく月日が流れ、しょうこりも無く山に向かいます。

ある日、色の白い髪の長い少女(お雪)と出会い、お互いに打ち溶け合って、

同行するようになりました。

とても明るい少女で、山にいるだけで幸せそうです。

大学も卒業して、社会人になり働くようになりました。

今では娘が3人の大家族、とてもにぎやかです、みんな母親にそっくり、

髪が長くて色白でとても美人です。

母親も髪が長くて色白で、ますます若く美しい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

一つだけ気がかりです、今の幸せを終わらせたくないんです。

あの夜の事は、だれにも話しておりません。

これからもずっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

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