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むかし話

Dscf1376 色鉛筆画、

第3話「むかし話」

2012.7.25日「雪女」  2013.7.12日「むかしばなし」

の続きのお話です。

久しぶりに、実家の布団にゴロゴロしていた。

1日中ゴロゴロしていると、病気になっちゃうよ。

もう起きなさい!、母親の声が耳に響いてくる。

父親はトラックに荷物を積んで、忙しそうに動いている。

ウーン・・・。

足元からスーッと冷たい風が、通り過ぎていく、

ハット我に返る・・・夢だったのか。

なによ、ニヤニヤしちゃって。

大きな瞳で覗き込む、お雪がそこにいた。

寝てただけだよ。

フーン・・・ママが恋しいんだ。

エッ・・・なんで!夢なのに?

見透かされているようで、はずかしかった。

それにしても、久しぶりに両親に会えてうれしかった。

ママー・・・!

思いっきり抱きしめた。

グルジイ~私はママじゃない。

少し太った?

私はお雪、太ってない。

そーかなー、ダイエットに山に行ってもいいよ。

ホント!

真丸の瞳が輝いた。

そーだなー、

大好きな大雪渓・・・毛勝山はどう。

ヤタッー、

長い長い雪の上を歩けるね。

ヨシ・・・私が鍛えてあげよう。

思う存分かかってこい。

よーし行くか。

運動の後のビールがたまらん。

プッハー!

お雪は、山のことでいっぱい。

僕は、ビールのことでいっぱい。

思いは違うけれど、行動は一緒。

頑張りがいがある。

5月初旬は片貝第四発電所の手前2.8kmで交通止め。

ここに駐車して、登山口の片貝山荘まで6km歩いた。

5時過ぎに片貝山荘と第五発電所を過ぎる。

阿部木谷は、雪でところどころ

寸断された場所を乗り越え。

さらに、土石破壊流の大明神沢を通り、

左側にある毛勝谷の雪渓に入る。

直登を肩で息をしながら、

久しぶりの登山にバテ気味になる。

アイゼンとヘルメットを装着し、ピッケルを持ち、

毛勝山下は一般コースの、

右側の穏やかな斜面を、回り込みながら登る。

毛勝山直下は約35度の急斜面を登る、

左側直登コースもあるけど無理。

お雪は難なく稜線に向かって登って行った。

主稜線からは、剱岳や後立山連峰が見え、

大パノラマが待っています。

毛勝山2414m、

毛勝山と書いた小さな板と、お地蔵さんが迎えてくれた。

お地蔵さんの背中側に日本海が広がり。

北アルプスの山々を、一つ一つ確かめる。

お雪も、いつまでも飽きることなく眺めていた。

11時すぎに弁当を広げ、

12時すぎた頃、下山開始です。

山頂直下の急斜面を眺めると、

谷に切れ込んだ雪渓に目が眩む。

行くぞー・・・ここは尻セードが気持ちいい。

キャー・・・置いてかないでー

と言い終わらないうちに稜線から消えた。

下を覗くと、アットいうまに小さくなっていく。

ところがちょっとしたコブに、身体が大きくバウンドして

体制が崩れてしまい。

尻セードから滑落体制で流されて・・・記憶が途切れる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

安心して眠りなさい・・・私の大切なひと。

さわやかな風、黒髪のいい香り、

柔らかな感触に包まれて・・・。

・・・また夢か。

アレッ!

大きな瞳で覗き込む、お雪に抱かれていた。

大丈夫よ、どこも怪我してないから。

どうしてなんだろう?

あれだけ離れていたのに、

お雪に抱かれて怪我ひとつ無い。

あのー・・・。

言い終わらないうちに、お雪の顔が重なり閉ざされた。

フーッと記憶が遠くなる。

気がついたら、何を聞こうとしたか忘れてしまった。

お雪は安心したように、涙を一つ落とした。

まあイッカー、天気も良いし。

雪がぐずぐずにならないうちに下山しよう。

そうね、行きましょう。

長い黒髪が風に揺れる、スレンダーな身体から、

とても山のイメージがわいてこない。

時折ガラガラと雪が崩れてくる音が、

谷に響きわたってくる。

15時ごろ片貝山荘と第五発電所を通過、

車まではあと少しだ。

宿に着いたら、キンキンに冷えたビールがまっている。

やっぱり山はいいな。

あの時、何を聞こうとしたのだろう。

長い黒髪を風に揺らして、歩く姿が楽しそう。

お雪を見ていると、ほっとする自分がいた。

フッと不安になる自分もいた。

青い空と、白い雲、緑の山が気持ちいい、

また来るぞー。

雪山にまた来るよー。

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